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とある修士トビタテ生の日々の記録です.食品に関する研究をしています.9月から米→仏→蘭と留学します.

トビタテの事前研修に行ってきた話.

 

6月の24-25日の2日間に渡って,トビタテの事前研修に行ってきた話.

 

僕の留学中にたくさんのお金をくださるプログラム トビタテ!留学JAPANは,採用されるとお金以外にたくさんの恩恵に預かれる.

 

その恩恵の一つが,この事前研修だ.

(人によって単にめんどくさいって方もいるけどね.自分も最初はめんどくさかったけど,後から思い返すと行ってよかったと思う)

 

はっきりいって,事前研修なんて僕らにメリットがなければトビタテ事務局側もやりたいわけないんだよ.

でもなんでやるのか,それは

 

奨学金を支給するだけで援助の責任を全うしたくない

 

という関係者の強い思いがあるからだと思う.

 

トビタテについては後で改めて自分の考えを書こうと思ってるから省略.

 

今日は自分が後から思い返して何をしたのか,何を感じたのかだけ書いておこう.

ちなみに,2日間の中でも特に自分にとって印象的な内容だけ書いておく.

 

 

会場到着からグループ顔合わせまで

当日の会場は都内の某予備校の所有する会議室だった.

トビタテを支援している民間企業209社のうちの一つ.

 

僕は高専から大学に編入したから,予備校という空間に初めて入った.

研修中には模試もやってたりして,馴染みのなさだけは強く感じた.

 

会場に到着したのは8時半,集合時刻の9時より30分ほど前だった.

周りのテーブルに着々と人が集まる中,僕のテーブルに人が来るのは比較的遅かったのを覚えてる.

と思ったら自分の後ろに二人目の女の子が座っていて,知らないうちに座ってたことにかなり驚いた.素で気づかなかった

まだお互い慣れてないからか中々会話も弾まず,自分のコミュ症っぷりを痛感した.

 

そうこうしてるうちに段々と集まって来て,そこから2日間に渡って深く関わる5人と顔を合わせた.

 

留学計画のシェア

はじめにやったのは,自分を含む6人の班員全員の留学計画を5分で話すというもの.

合格前の二次審査でもやったが,僕はこの人の計画を聞くというのがすごく好きだ.

自分の能力と性格では何度転生しても行き着かないと思える計画ばかりだし,そこからは人柄や考えまでが透けて見える.

 

そしてトビタテの人たちは大抵自分の専門分野の背景についてめちゃめちゃ詳しい.

自分に予備知識がなくても噛み砕いて教えてくれるから,そこでまた一つ知らない世界を知った気になれる.

 

そしてなにより自分の計画を人に話すのが楽しい.

 

ヤンググローバルリーダー講演

ヤンググローバルリーダー(以下:YGL)による講演とパネルディスカッション.

正直研修の課題をやるまでYGLがなんなのかも自分は知らなかった.

 

来てくださったのは東京大学で最年少教授として教鞭を執る 上村想太郎 氏と 今日のスマホにも使われている指紋認証システムを開発した 斎藤ウィリアム浩幸 氏.

 

お二人とも所謂理系畑出身だったが,自分の専門に留まらない深い知識と考えが伺えた.

 

彼らは若いうちに,どんな意識で世界に目を向けていたんだろう.

質問に手を挙げてたけど指されずに結局聞けずじまいだったなあ.

 

そしてもう一つ印象的だったのが,AIが台頭する未来の話.

二日目の支援企業からの期待という講演でもかなり多く語られていた.

 

そして間違いなく感じたのは,弁護士,医者などのより正確な判断が求められる職,単純労働はもちろんのこと,プログラムのコード書きなどのある種の規則に乗っ取った仕事でさえも機械に取って代わられる.

 

今でこそ潮流に乗ってるIT産業のプログラマという職だが,間違いなく近い未来どんどん職を追われる気がしてならない.

 

話は変わるが僕の父は某大手家電メーカーの半導体の研究開発者だった.もう数十年も前のことだが,いつも語っていたのは今日の家電メーカーの凄惨な現状を誰も予想などしていなかったこと.半導体関連の製造は中国と韓国に完全に職を奪われ,日本のメーカーが次々に撤退・売却したのは周知の事実.

 

今の常識が,未来永劫変わらないなんて保証はない,むしろ変わらない方がおかしい

 

僕は今までAIについてそこまで考えていなかったし,研究開発を志す自分の職が危機に晒されることはないと思ってた.

 

でも違う考えも生まれた.

 

AIが真っ先に取って代わるだろうというのが今まで高給取りとされてきた医者や弁護士といのは分かる,しかしその置き替わりで生じた優秀な余剰人員が違う職に遷移して来た時,僕は彼らと競わなければならないと気づいた.

 

AIが創造性を伴う職を奪わないとしても,AIに職を奪われた人から職を奪われる可能性があることを頭に入れておかなければならない.

 

SDGsについて

Sustainable Development Goalsの略.

 

世界のリーダーが2015年9月の歴史的な国連サミットで採択した持続可能な開発のための2030までを視野に盛り込まれた17の目標のことだそうだ.

 

研修では2030年までの時間軸で,各プレイヤーが国となって他者と交渉・協力し,世界を変えるというゲームだった.

各プレイヤーはランダムで2030年における国の方針が与えられる.


僕は2030年までに多くの時間を確保し,悠々と生活することだった.

 

最初はピンと来なかったけど,終盤には自分の国がどういう立ち位置なのか嫌でも分からされた.

 

僕は多くの時間を確保するだけでよかった.自国の目標のために,他国相手に自国の金銭とミッションを与えて放棄し,彼らの貴重な時間を奪った.

 

これで強く感じたのは,何もしないのはゼロではなく罪だということ.

 

僕らが何もしないことで他国の時間を奪っている.そして僕らは彼らが必死に作り上げた素晴らしい2030年の恩恵をただただ傍受した.

 

具体的にどこの国が今の世界の発展の足を引っ張っているとは思わないけど,うまいこと世界の縮図になっていると感じた.

 

僕にとっても日々何もせず過ごすことが罪だということを切に感じさせてくれた.研修がそれを意図していたかは定かではないが.

 

最後に

僕はこの研修で,

  • 自分の留学計画改善の機会
  • 日本の著名な方々の考え
  • トビタテを介した友人

を得た.ほんと行ってよかった

 

ここには書いていないが他にも自分の計画のブラッシュアップや日本文化について考え,発信するための研修といった機会もいただいた.

 

班員をはじめ,これから留学することと日本人だという共通点しかない,ほんとに多種多様な人と過ごせたのは自分にとって本当に価値があった.

 

ここで会った人とはこれからも連絡を取っていきたいし,いつになっても人生を豊かにしてくれるはず.

そしてとにかく,トビタテに関わっている人が僕らのことを心から思ってくれているのが分かる研修だった.

 

多くの人と出会うことは自分の人生を豊かにする.その機会に恵まれたら,積極的に交流を重ねなさい.

 

これはこの前知り合った台湾海洋大の教授が仰ってたことで,素敵な言葉だったからたまに思い返していた.(当たり前のことなんだけどね)

彼も自分が発した言葉の通りに,今でも飲み会の一本締めの意味を聞いて来たりする.

 

 

トビタテに採用された方の中には2種類いる.

このコミュニティで集まるのか好きな人と,単に奨学金として見ている人.

 

僕は圧倒的に前者で,奨学金よりもむしろコミュニティに価値を感じているタイプ.

どちらが間違っているとも思わない.

でも僕は,意識高いことを言っても笑わずに聞いてくれるこの人たちが好きで,そして個々に専門分野への愛と将来の夢を持っているこの集まりが好きだ.

 

もちろん打ち上げも参加して本気で楽しんだ.

次は留学後の事後研修か.

遠すぎてそのころの自分がどうなってるか分からないけど,また自分の人生を豊かにできる機会があると思うと本当に楽しみでならない.

 

おしまい